さて、前回は長々とコオロギ養殖がいかにおすすめできないかということを書き綴りましたが、対して「手間隙かからず」「臭くなく」「大人しい」として餌虫養殖ではとみに推されるデュビアの養殖について、私の所感を記します。


・デュビア

別名アルゼンチンモリゴキブリ。デュビアは学名の方ですね。
字の通り、本種はゴキブリの一種です。よく「ゴキブリっぽくない」と云われているのを見かけますが、成虫♂のビジュアルはまんまゴキブリです。
ただ「すばしっこくない」「壁を登らない」という点ではいわゆる私たちの毛嫌いするゴキブリっぽくはないとも言えます。
本種は成虫♂には羽がありますがほぼ飛びません。飛ぶのかもしれませんが、飛んだ様子はうちでは見たことがありません。


◆メリット
・臭くない
・大人しい(動きが遅く、壁を登らない
・かなり丈夫

基本臭くありません。
基本というのは、適度な通気性を保ち、飼育環境が乾燥している状態で、ということです。
他の餌虫同様蒸らすと臭くなるそうですが、にしてもコオロギに比べると俄然マシに思えます。

また、ゴキブリの一種といっても大変大人しく、扱いやすいです。
本種は森の地面に落ちた枯葉を隠れ蓑に生活する地表棲のため、つるつるのプラケや一般的な壁紙をイエゴキブリよろしく元気に駆け回ることはありません。
(プラケも表面が傷だらけだと稀によじ登ることがあります。)
また、一般的な家ゴキブリやイエコ、レッドローチと比べ、動きは大変緩慢なためピンセット等で捉えやすいです。

それから、コオロギを養殖した経験があるので殊更そう思いますが、コオロギと比べてとても丈夫です。多少雑に扱っても問題なく逞しく生きてくれます。
水切れ餌切れにも強く、共食いも滅多にしません。多少はしますがコオロギほどではありません。

コオロギの場合は卵の管理が必要でしたが、デュビアの場合は♀が体内で子供を孵化させて幼生の状態でいきなり出てくるため、その辺の手間もかかりません。


◆デメリット
・養殖コロニーの立ち上げに時間がかかる(成熟に時間がかかる)
・外殻が硬く消化に悪い(と言われていますが実態は不明)

本種はそののんびりした動きと同様成熟も遅く、また体内孵化の機構上仕方ないのか、一度あたりの産卵数と年間を通しての産卵ペースが少なく、繁殖コロニーでサイクルを作るのに時間がかかります。
殖えるには殖えるのですが、殖えたものが繁殖可能なサイズになるまで時間を要するので、結局餌用としてうまく回すために立ち上げに時間がかかるということです。

うちでは30匹規模のコロニーからコツコツやっていますが、成虫100匹~で立ち上げれば半年ほどで形ができるんじゃないでしょうか。
半年と聞くとゾッとする方もいるかもしれませんが、デュビアはコオロギと違って飼育自体には全く手がかからないので、実質半年のほとんどを放っておくだけで立ち上げられます。

ちなみに、本種は外殻が硬く、食べた爬虫類がうまく消化できないという話をよく聞きますが、うちではデュビアを食べた子も問題なく普通にうんちして生きているので、そこまで神経質になることもないと思います。


◆養殖難易度

楽ちん

コオロギ養殖を経た上でデュビアに移行すると何じゃこりゃとひっくり返るほどの容易さです。度肝を抜かれました。
ただ前述の通り、養殖用のコロニーを立ち上げるのに時間を要します。
初回導入から半年ほど見ておけば十分だと思います。これが長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれだと思いますが、前述の通りコオロギの半年とは手間隙の面でワケが違います。うちではほとんど放置だったので半年でもさほど長いとは感じませんでした。


◆飼育環境

コオロギの場合、共食い防止のため、あまり密集飼育は推奨されませんが、デュビアは逆に密集を好むので、省スペースでの飼育が可能です。
DAISOで100円で買えるサイズの米櫃(2018年4月時点)で100匹程度は余裕で収容できます。
500~1000匹くらいのコロニーになったら衣装ケースでしょうか。
餌虫飼育で欠かせない紙卵パックのほか、DAISOの鉢底ネットを筒状にしたものを連結させて隠れ家にできます。
安く済ませようと思えばトイレットペーパーの芯や空いた牛乳パックやティッシュの箱などがなかなかいい具合に馴染みます。
給水設備はコオロギ同様、蓋に穴を空けたタッパーを水で満たし、それに浸かるように穴に包帯やフィルター状のもの(ティッシュでも可。ただし要交換)を詰めて垂らせば問題ありません。
ただし幼生は給水部分まで辿り着けない子もいるかもしれないので、立体移動可能なシェルターで足場を造るか、タッパーの壁面に紙やすりで傷を付ける等の工夫が必要です。
蒸れは厳禁なので、天板部分は切り抜いてメッシュなどを当てておくのがいいです。


◆デュビアの食育

うちではデュビアの餌は以下のように与えています。
・小松菜やキャベツなど葉物野菜
・りんごやバナナなど果物
・マウスフード
・小動物用ペレット(植物性)
・チャボの餌
・昆虫ゼリー
△ドッグフード

基本的にはコオロギと一緒ですね。
デュビアについては急いて養殖をしているわけでもなく、またレオパゲルやフードの登場で生餌をメインの餌として据える必要がなくなったので、ドッグフードは実際ほとんど与えません。
本種は水切れにも強いですが、コオロギと違って動線がフラットなため、よく観察していないのでわかりませんが給水器にまで辿り着いているのか不安になることがしばしばあります。
なので、野菜や果物、昆虫ゼリーなどは手元にあればポンポン与えて水分補給もさせます。
うちでは私が好物のため小松菜を大量に消費するので、小松菜はデュビアの定番メニューでもあります。