ごきげんうるわしゅうエビバディ

『爬虫類 飼育用品』で検索すると必ずパッと目につくところに出てくる定番グッズがあります。
右も左もわからないビギナーさんはまずその辺や、おおよそ飼育用品のオススメが書かれたHPさんの言を鵜呑みにして色々目につきやすいものを買い揃えると思うのですが、私がそんなノリで買ったものの中で、思いのほか使い勝手が悪く持て余したものがいくつかあります。

・レプタイルボックス

・バンブーピンセット

・ウェットシェルター

ご存知、めっちゃ見るやつです。
多分ヒョウモントカゲモドキの飼育ビギナーなんかは「とりあえずこれ買っとけば間違いない」くらいなノリで勧められる三大ポピュラー飼育用品でしょうね。

そんなこれらのグッズですが、私は個人的に気に障るところがあって使わなくなったので、その経緯とレビューをここに載せようと思います。
特に後者2つで多大にディス方面に展開するので商品リンクは貼りません。


◆レプタイルボックス

アクリル製のケージで、一般的なプラケと違って表面に擦り傷が入りにくいです。
が、落としたりするとプラケより割れやすいのでは、と思います。
プラケの類と違って直角の構造になっているので、並べやすくかつデッドスペースを作りにくい構造になっています。
底面以外はスケルトンになっていて見通しやすく、レイアウト面ではかなり沼…いじり甲斐のがるケージと言えます。

上部スライドドアはマグネット固定になっているので、きちんと閉めておけばこのサイズのケージで飼育するおおよその種では脱走が起こりにくいです。
また、スライドドアには適度に空気穴が空いていて、温湿度管理がしやすくなっています。

サイズ感では、レオパならサイズ系変異個体でなければ終生これで十分飼育可能です。
地表棲のヤモリも大抵これでいけると思います。
ボールパイソン、コーンスネーク等蛇もベビー~ヤングくらいまでは飼育可能です。

総じて、爬虫類(特に地表棲ヤモリや小型の蛇)の飼育においてはとても便利なケージと言えます。


いいこと尽くしやんけって思われたかもしれません。
私も最初そう思っていました。


気に障った点『丸洗いしにくい』

私が個人的にこのサイズのケージに求めるものであり、利点であると考える点はそのお手軽さと、それゆえの洗いやすさです。
ケージをそんなに頻繁に丸洗いしない方がマジョリティだと思うのですが、継続的に使っていくにあたっては定期的な丸洗いが必要だと私は考えています。臭いなんかは染みますしね。

で、いざ洗おうというとき、このケージは内面角もきれいに直角な上、上部スライドドアの固定機構が返しになり、丸洗いする時に内部のゴミ(乾いた糞尿の欠片や細かいおがくずなど)が取り除きにくく、水はけが悪いです。
砂とか敷いた日には大変なことになりそう…
そう考えると、プラケの台形様の構造は丸洗いしやすくその点大変魅力的です。(でも絶妙なデッドスペースが気に食わない…)

という具合で、洗うときちょっと不便するだけです。
このケージの様々な利点に比べるとほんの些細なことなのですが、複数個使いまわすのに、洗うたびイライラしていい加減嫌気が差したので、このケージの使用はやめました。

それから、気に障ったというほどでもないのですが、このケージは足が絶妙に邪魔です。
おおよそのプラケには足がついていてパネヒなどを使うとうまく底面が接着せず保温効果をよく発揮できないケースが多々あります。
このケージも、ここまで爬虫類飼育に向いたケージを設計するなら、申し訳程度の足なんてつけずに底面もまっ平らにしておけばいいものを…と思いながら私はもぎました。
足は意外と簡単にもげますが、底面のプラスチックごと微妙にこそぎとってしまうこともあるので、もぐ際は注意が必要です。

繰り返しますが、小型種の飼育であればレイアウトのし甲斐については他のケージの追随を許さない魅力的な作りではあります。
なので、1匹かっちりレイアウトして飼い込みたいという方にはオススメです。
洗うときにイライラしそうな方にはおすすめしません。


◆バンブーピンセット

ピンセット給餌の際、誤って個体がピンセットごと噛みついたときに口内を怪我しないよう柔らかい素材で…ということで竹なんでしょうかね。
爬虫類の口内炎は飢餓につながるので注意したいところです。
鉄製に比べると確かに安全なのかもしれませんが…

・まず、デカすぎ

ピンセットの構造であのサイズでは普通に扱いにくい…というか、ピンセットのポテンシャルを十分に発揮できません。
先端がつるつる(ステンレス製のようにギザギザ面がない)な上、デカくて先端に力が集中しにくく、特に活コオロギなんかでは狙った箇所をなかなか掴めません。
ちまちました餌虫(コオロギLでも手間)をレオパあたりに給餌したり、小さい蛇にピンクマウスを給餌するようなときに使おうと思うとかえって作業しづらいです。

・モノによって咬み合わせが悪い

ロット時点でうまく咬み合うものと咬み合わないもののバラつきがあります。
まぁそれは誤差の範囲というか、個人の感じ方の差にもよるんでしょうが…
使い分けるため複数所持していましたが、具合の悪いものがあって難儀しました。

・使ううちにささくれる

まぁ竹なので…
ただ、生体の安全面を考慮して竹なのだとしたら、ささくれていてはワケないな~と思う次第で。

ハッキリ言って実用性がかなり低いと感じました。
私はすでに使っておらず、代わりに普通のステンレスピンセット、場合によって割り箸や100均のシリコントングにシフトしました。
竹でもステンレスでも噛ませれば生体にケガを負わすリスクは同様にあり、であればどちらにしても個体に噛ませなければいい話です。
テクニックでカバーする話ならと、使いやすいピンセットを使うようになりました。

わざわざ使いにくいものに馴れるよう頑張るか妥協するかするより、使いやすいものを工夫して使う方が楽だなと思いました。


◆ウェットシェルター

素焼きで水を吸い蒸散するため、ケージ内で湿度勾配を作れる上シェルターにもなる優れものです。
シェルター内部に滴る水で給水も可能とか。

それはその通りで、このシェルターの機能については間違いなくイイモノです。
が、イイコトしか書いていないところが多いので、ヨクナイコトを書きます。

・カビる

よく水を吸うので、カビます。
カビの胞子が表面に出てきているということは、カビが対外発散を始めているということです。
これはどういうことかというと、カビが新たなコロニーを外に模索している。つまり、表面にカビが見えた段階でシェルター内部は既にカビの菌糸で埋め尽くされているということです。
そうなると表面のカビをふき取るだけでは解決できず、全体の消毒が必要になります。
カビが生み出す毒素は生体にとんでもなく毒性が強いので、注意が必要です。

こまめに洗うなど気をつけていればカビは予防できますが、水垢汚れはどうしてもついてしまいます。
特にシェルター上部の吸水溝部分は水垢がつきやすいのですが、ここの返しが結構雑に尖っていて、スポンジがつっかえて洗いにくいです。
水垢汚れはレジオネラ菌の温床であり、こちらも生体に対して明確に有害です。

素焼きは構造上水分がよく染みるので、1回カビたり水垢がついたりしら完全に除去するのは面倒です。
カビや水垢は徹底的に乾燥させることで予防が可能なので、水抜きが推奨されます。
洗うたびにきちんと水抜きせずに使っていると、毎日洗っても結局表面が水垢でぬめるようになります。
が、洗うときに水抜きをきちんとしようと思ったら、1個では絶対に毎日使い回せません。

・臭う

吸水性に優れているということは=臭いの吸着も凄まじいということです。
中には吸水溝部に糞をする子もいるので、それこそまめに洗わないと、使用する種によってはすぐ臭くなります。
レオパなんかは生体自体は臭くありませんが、糞はしっかり臭いです。
爬虫類の糞は普通に哺乳類とか人の糞と同じように臭いです。そしてその臭いを吸います。
尿がかかれば尿も染みます。それに気付かないでいると酸っぱい臭いがしだすことも…
なので、ただのシェルターとして使いまわすとしたら臭くなる一方なので使い勝手が悪いです。

・というのに洗いにくい

素焼きで水を吸うので、しっかり綺麗にしようと思ったらいちいち水抜きまでしなくてはいけません。
洗剤やらハイターやらを使うと、その成分が抜けないまま使用した際、生体にとって有害な成分を含んだ水が染み出してそれを生体が口にするケースも想定できます。
除菌には他にいくつか方法がありますが、茹でたり電子レンジにかけたりするにしても、人が食べるものの調理器具でやるのも…
結局よくよく洗った上で水抜き、天日干し、しっかり乾いてから使い回しという風にやっていると手間で手間で仕方ありません。

そこまできっちりしなくてもいいかと最初は思いましたが、適当にやるとその積み重ねですぐ状態が悪くなります。
最初からそういうものだとわかって買うならまだしも、私はスパンの短い消耗品だと思って買ってないので、このシェルターのイイトコにうまいこと食いもんにされたな~と後悔。
確かにイイトコにだけ焦点を当てるとイイモンではあるのですが

・しかし保湿はそこまで持続しない

季節やケージの締め切り具合にもよりますが、期待したほど保湿がうまくいかないことが度々ありました。
それは私が上手く使いこなせなかっただけの話ですが、ウェットシェルターがあれば手放しで保湿できる!というわけではないケースもあります。
ただ、先にも書いたように衛生的な観点からただ水を継ぎ足すのみというような使い方には疑問があります。

・割れる

特に乱暴な扱いをしていなくても唐突に大きな亀裂が入ったり欠けたりすることがあります。
箇所にもよりますが、いやなところに亀裂が入ると水がすぐ抜けて保湿もクソもないガバガバシェルターになることがあります。



☆代替
安定は穴あきタッパーかな。
ウェットシェルターは素焼きで表面がザラザラなので、特にレオパなどの脱皮様態の種が脱皮の際体をこすり付けるのに便利です。
タッパーではそれがないので、私は底面に湿らせたザラザラスポンジ(よくある二層スポンジの硬い方だけ薄く売っているモノ)を敷いて代替設備としています。

そもそもレオパならレプタイルボックスくらいの空間であれば飲み水用の水入れを置いておくだけで通常生活に必要な湿度は保てると思います。脱皮前だけ何らか加湿するよう工夫すれば、十分不全は起こさないようにできます。
ちなみに表面がザラザラの構造物がなくても、うちではDAISOのシューズケースと水入れのみで毎回とくに不全なく脱皮はできています。

確かにウェットシェルターはレオパあたりの野生棲息環境をよく再現できてるんだと思いますが、そんな環境が常に必要か?って考えたら、レオパの生活様態を見るに決してそうとも言い切れないなと私は思います。

なので「(素焼きの)ウェットシェルター必須!」みたいな言い方する人を見るとなんだかな~と思っちゃう。

複数匹何年も飼育した上での所感だけど、素焼きのウェットシェルターは全然必須ではない。
シェルターが必要な個体だと感じるならシェルターを置いて、あとは飲み水用の水入れを置いておけば十分です。

結局、得られる恩恵とメンテナンスの手間が釣り合ってないと感じるので、私はボツ。
確かに便利で合理的ではあるけど、消費者的には買う前にその道具の扱いと難点を知っておけたらなと思う。



と、長くなりましたが、よく紹介される飼育用品には、それはそれで難点があったりします。

もちろん開発者さんは私よりよっぽど想定した飼育対象について詳しいのだと思いますが、イイコトに焦点を当てると、イイ演出をするためにないがしろになる部分が出てくることは往々にしてあって、今回紹介した3点のうち後者2点はそれが顕著な気がします。

まぁ、私の個人的な印象なんですが。
飼育用品なのでお試しで使い勝手を見て…という風にはできません。
せめて、その用品の良し悪しが広く人に知られた上で、消費者の選択肢が広がればいいな~と思いしたためました。

飼育用品をお買い求めの方はご購入前にぜひご一考を♪