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ハンドリングについて講釈垂れてるので説得力出すために実地で撮影やっちゃりました。
寛ぐくぬぎたぬ。

さてさて
2回に渡ってアオダイショウの性質飼育環境についてお話しました。
今回は実地の飼育方法。つまり実際のお世話はどういう具合か書いていきます。


最初に

◆検疫

当然ですが、特に多種多頭飼育をしている飼育者は、新規で個体を導入した際には適当な期間を設けて検疫(隔離飼育)しましょう。

具体的には
・ダニの有無
・病気や感染の有無(重度の場合検疫期間中に没する)
・餌への関心や食い付き(併せて口腔系疾病の有無確認)
・期間中に脱皮すれば不全や出血がないか確認
といったところでしょうか?

WCではなくても、ショップ内でFHやWCを同じ棚に並べてられたCBが病気をもらっているというケースがあります(ボールパイソンでは特に)。
要するにショップで購入する個体でも、病気や細菌をもらってくる恐れは十分にあります。
アオダイショウは店頭販売個体でもWCの流通が多いので、気を遣うべきです。
うちでは蛇を新規導入した際はまず次亜塩素酸希釈湯で温浴させています。 
(温浴の方法は後日)

また、ショップから飼育者の下へ移り、環境の変化に戸惑う期間があります。
本種は比較的丈夫な種なので過度な気遣いは不要ですが、ストレスケアのため、適切な飼育環境(できれば最初は多少高めの温度:26度くらい)でしばらく触れず、様子を見ましょう。


以降の日頃のお世話

◆水換え

飲み水と水浴池を兼ねた水入れをケージ内に置きます。
基本はタッパーですね。前回書きませんでしたが、コンビニおでんの容器なども使えます。が、おでんが入った後では表面が脂っこくなるので、念入りに洗って再利用する必要があります。
ここに遊びを利かせると飼育レイアウトが面白おかしくなります。
うちでは和風な模様の入った丼を使っていますが、エッヂの利いた人は土鍋やら漬け壷やらおしゃれな鉢などを使って居たりします。
大体何を入れても、派手だから蛇が萎縮するというようなことは今まで確認できていません。
ただ何だかんだタッパーが使い勝手がいいのでオススメです。(笑)

基本2日に1回(季節により多少変動)の水換えです。
アオダイショウは日本の水で普通に暮らしているので、特に飲ませる水に気を遣ってはいません。
うちでは普通に水道水を汲んでしばらく室温で慣らした後(季節によっては水道の冷水ままでは体を冷やしてしまい体調を崩しかねないので)ケージに入れています。カルキ抜きはしていません。

また、蛇は賢く、生活動線をある程度絞ります。つまり水のある位置構造を把握します。ので、ケージ内で水入れを置く位置はおおよそ定めておくのがいいと思います。


◆給餌

うちではピンクマウスは割り箸で、アダルトマウスは100均のトングで与えています。
ス●ーのバンブーピンセットがエキゾチックアニマルの飼育にやたらと推されていますが、ピンセットの構造でサイズ無駄にでかく、使い勝手悪いので私は好きません。
生体の口腔内を傷つけないために堅すぎない素材がいいと言われていますが、竹だから特段緩和されるとも思いません。使ってるとささくれてくるので余計に。
日本人は幸い箸の扱いに長けているので、それなら割り箸で十分かと思います。

マウスを鼻先でヒラヒラさせてたら食いついてきますが、ピンセット給餌に慣れていない置き餌食いの子の場合はケージ内の適当な場所にそのまま置きます。
置き餌食いの子は餌のサイズがよほど無茶でもない限り臆病で腰が引けているだけなので、マウスを置いているときに隙あり!とばかりに咬んでくることはありません。むしろそうしている間も逃げようとせこせこ動き回ると思います。
また、割り箸での給餌中に蛇が指に間違えてロックオンして誤って咬んできた、ということはうちでは一切ありません。アオダイショウはピットに頼っていないので、そうそう外しません。
指に飛ばれたときは単純に与え方が悪いと思います。

それから、蛇なので例に漏れず、頻繁な給餌は必要ありません。
慣れてくると餌を探しているような仕草が観察できるので、通常の給餌ペースと個体の様子を見て給餌量は調整しましょう。

※参考(うちでの給餌量の下限)
ベビー ピンクマウスS~M 週2~3回 1匹/回
ヤング ピンクマウスM~L 週1回 2~3匹/回
サブアダルト ホッパーマウス 週0.5~1回 2~3匹/回
アダルト アダルトマウスM~L 月2回 1~2匹/回


◆床材の敷き換え

アオダイショウは食べて割とすぐうんちを、また頻繁に尿もするので、結構な頻度で床材が汚れます。
ので、基本汚れたら交換。回転が速いので、お手軽なキッチンペーパーがいいかもしれませんね。


蛇は基本食べて排泄してたまに脱皮するだけの生き物なので、具体的なお世話は以上です。


以下応用編

◆ハンドリング

アオダイショウは臆病な生き物なので、基本的にはハンドリングは嫌がります。
が、元来のおとなしい性格のおかげか、成長するにつれて落ち着き、ハンドリングにもよく馴れてくれます。
よく「1日〇分を毎日!」とか言う人がいますが、毎日欠かさずとか時間を決めてとか決め決めにやらなくても本種はよく馴れます。
むしろ触りすぎて迷惑に思われない程度に「脅威ではない」アピールをすることが大事です。
日頃のお世話で刺激しないようなテク(具体的には素早くバタバタせず静かに)が求められるわけですね。

ハンドリングの実地では上から摘み上げるのではなく、掬い上げるように持ち上げること。その際蛇の顔の向いていない側から手を出すこと。
また、おどおどせずに、蛇が状況を捉え切れていないうちに素早く手に乗せてしまうのがコツです。

持ってからのコツは「持つ」のではなく「乗られる」ようにすることです。
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掴まない、絡まれるの…(ブルゾン並感

師匠は「ハンドリングするときは蛇が落ち着きやすい枝になれ」と仰ってました。
アオダイショウには手の上での独特の寛ぎ姿勢があるので、落ち着きやすい姿勢になるよう極力自由に乗られてあげましょう。

また、もし手に乗せた状態で逃げ回ろうとしててんやわんやしたときは、蛇を乗せた手を高く掲げるようにして持つと、手の方に戻ろうとします。
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高低感覚がはっきりしているんでしょうね。木登りが上手といっても、やはり落下するのは気持ちよくないんでしょう。

 
とは言え、馴れていないうちはたまに飛んできたりします。
怪我して不幸になるのは嫌なので対策も書きましょう。


◆咬撃への対処

アオダイショウは基本的に温厚なので、よっぽど機嫌が悪いタイミングか、よっぽどビビらせるかしないと咬んでくることはありません。
給餌の前後で餌と間違われ咬まれることはあると聞きますが、それはアオダイショウが悪いのではなく飼い主の不注意です。

アオダイショウがよく咬撃に出るタイミングとしては、ハンドリングしようとした時です。
蛇の中にはハンドリングしている(手に乗せている)最中でもお構いなく咬んでくる種もいますが、アオダイショウについてはハンドリング中は逃げようとするか落ち着いているかのどちらかで、よほど嫌な持ち方でもしない限りは咬まれることはないと思います。

ハンドリングしようとした時に咬まれる要因は
・うかうかしていた(素早く乗せることで対処可)
・手の位置が悪かった(アオダイショウの咬撃範囲を見極めれば対処可)
・掴み方が悪かった(掬うようにすれば対処可)
・機嫌が悪かった(触らなければ対処可)

手の位置ですが、アオダイショウは1回の挙動で頭部の向きをギュルンと変えてきますが、いきなり全方位に対処できるほど守備範囲は広くありません。
頭の向いた側とは逆の方から触れるようにすれば、大抵の場合まず逃げに走るので、その隙に颯爽と掬い上げましょう。

また、咬む余地を与えない手の向け方も重要です。蛇は口が大きく開くといえど、さすがに咬みつける大きさには限度があります。
咬みそうな挙動だと思ったら手のひらをかざしましょう。大体は無駄だと悟って咬撃に出ません。
指を開かず、手全体を大きく見せることがコツです。

が、以上のような注意を払っても、どうしようもなく機嫌が悪く飛んでくるケースはあります。
前述していますが、うちの子の中にたまにどうしようもなく機嫌を損ねる子が居ます。そういうときはもう触らず放置に越したことはありません。
ハンドリングは蛇にとってはストレスでしかないので、人間の都合でいつでも触れるとは思わず、様子を見て控えるようにしましょう。


◆咬まれた後の対処

手のひらは皮が厚いので噛まれてもひどくはならないのですが、指や腕などを噛まれると、一瞬鋭利な痛みの後に血がダラダラ出ます。
アオダイショウの牙は魚の小骨のように小さくするどく、怪我自体も痛みも大したことはないのですが、割と血は出ます。
おそらく軍手くらいしていれば成体サイズに咬まれても牙が届かず怪我もしないと思います。

本種は毒持ちではありませんが、流通しているアオダイショウの中にはワイルドの子も多く、それらは野生で何を食べてどんな雑菌を口の中に飼っているかわからないので、感染症予防のために、咬まれたらすぐ流水と石鹸でよく洗い、消毒しましょう。

私は未熟なことに割りと咬まれて怪我していましたが、よく洗いよく消毒することで、今のところ大事には至っていません。
何にしても、一番の予防は「咬まれない付き合い方をすること」に尽きますね。


というわけで総評

◆アオダイショウの飼育難易度

激易

・性質面

性 格 ◎ 超温厚(多少の個体差・WCの気難しさを考慮しても◎)
エ サ ◎ 調達しやすい。雑食だがマウスで終生飼育可。
臭 い 〇 多少の青臭さはあるが基本的には無臭。(臭腺被害はCBだとほぼない) 
環 境 ◎ 基本的には季節ごとの温度管理と飲み水、簡易シェルターで可。
脱 走 △ 脱走上手。稀にプラケの蓋をこじ開ける個体がいるので注意。
繁 殖 〇 容易。ただし幼体の餌は要考慮。
値 段 ◎ 本種より安価の蛇は居ない。(モルフ・色変・アルビノは別)


・飼育面

手 間 ◎ ほぼかからず。
費 用 〇 他の蛇と比べて安価で済む。
触合い 〇 ハンドリングは容易。動きが速いので注意。


簡単、の一言に尽きます。
とにかく、申し訳ないほど手間がかかりません。

餌のマウスの調達や保管が一番手間と言っても過言はない気がしますね。

恐らく日本人…というか日本で蛇を飼育することを考えたら、本種が一番簡単なんじゃないでしょうか?

大人しくて渋可愛いアオダイショウ
一家に一匹、いかがですか?

↓シリーズはコチラ↓
アオダイショウ飼育
①アオダイショウとは 
②飼育環境 
③お世話 (コレ)